僕は今までまともに働いてこなかったので、社会人として健康診断を受けるのは、今回が初めて。
親やきょうだいから健康診断の話を聞いて、面倒くさそうだなあ、と思っていたが、ついに自分の番が来てしまった。
クローン病患者として、僕には健康診断について気がかりなことがある。それは、胃の検査だ。
僕の食道には狭窄があり、細い胃カメラ(直径8.9mm)を使っても通過することができない。胃の中を見られるのは、半年~1年に1回、バルーンで食道を拡張した直後だけである。(次の治療のときにはまた元の狭さに戻ってしまう)
また、炎症を繰り返したことにより、小腸や大腸にも狭い箇所がたくさん生じており、バリウムを飲んだら腸閉塞などを起こさないか心配だ。腸からの出血も完全には治まっていないので、造影剤のせいで症状が悪化する恐れもある。
このように、胃カメラも、造影剤を使った検査も困難なので、胃を検査する手段がない。
胃の検査は回避可能
健康診断の詳細を確かめてみると、検査項目は34歳以下と35歳以上で異なっていた。
ラッキーなことに、34歳以下の定期健診には、胃の検査は含まれておらず。とりあえずj一安心だ。
でも、35歳以上の検査項目には、胃のレントゲンがある。このまま年を取ったら、僕は検査を行えず、クビになってしまうのだろうか?
調べてみると、どうやらそうはならないらしい。
定期健診の項目には、法律で受診が義務付けられているものと、そうでないものがあり、胃カメラや胃のレントゲンは後者に該当するため、拒否しても許されるそうだ。
いやー、よかった。よかった。
もし仮に今の派遣会社で10年以上働き続けたとしても、健康診断の胃の検査が原因で契約を解除されることはない。(別の理由で解雇される可能性はあるけれど……)
一瞬暗くなった未来が、再び光を取り戻した気がする。
とはいえ、クローン病で定期的に通院しているのに、わざわざ休みをつぶして健診のために病院に行くのは面倒だ。
初対面のお医者さんに持病の経過を一から説明するのは、想像するだけで頭が痛い。
胃の検査は回避できても、健康診断はやはり厄介なイベントである。