僕がブログを始めてから、早くも約3年が経過した。
その間、ネットの世界にはいろいろな変化が起こったが、とくに大きかったのが、広告の進化だ。
昔から広告は目障りでうっとうしかったけれど、それでも一定の節度は保たれていた。
しかし、近ごろの広告は、クリックして閉じないと消えない全画面広告や、画面下にずっと表示され続けるアンカー広告など、コンテンツを読むのを躊躇なく妨害してくる。
もちろん、収益が大事なのはわかる。ネットの情報は基本的に無料なのだから、利用者もある程度の不便さは我慢しなければならない。
ただ、広告をどう使うかには、サイトを運営する書き手側の価値観が問われる。
大事なのは読者か利益か?
ブログを始める前、僕はネットの広告は、サイト運営者の意志に関係なく、強制的に表示されるものだと思っていた。
だが、実際は違う。一部の無料ブログサービスを除いて、広告のサイズや配置はブログの管理者によって設定が可能だ。
たとえば、僕も利用しているGoogle Adsenseでは、全画面広告のオン・オフ、広告の画像とテキストのバランスまで、細かく調整ができる。
したがって、広告の表示のされ方には、ブログの書き手の価値観が反映されている。読者の快適さを尊重しているのか、自身の利益を最大化しようとしているのか、広告を見れば真意が透ける。
別に、いくら広告を増やそうが、ブロガーの自由だ。
でも、かつて純粋にコンテンツを楽しんでいた「きれい」なブログが、いつの間にか広告まみれになっているのを見ると、ちょっと寂しいものがある。
ああ、この人は読者の利便性よりも、自分の利益を取ったんだなあ、と気持ちが離れていく。
さすがにWikipediaのように、寄付を募ってまで広告を徹底的に拒否する必要はないけれど、読み手の視点に立てば、広告の利用法には適切なバランスがあるだろう。
全画面広告やアンカー広告は、守るべき一線を超えてしまっているのではないか、と僕は思う。
ちなみに、僕のブログに広告が少ないのは、自分がブログを見返すときに邪魔だから。広告を貼るときは、極力文章を読む妨げにならないよう配慮している。
もし広告を全開にすれば月数十万稼げる状況になったら考え直すかもしれないが、そんな未来はたぶん永遠に訪れない。
ネットの海に広がる「広告汚染」から、自分の領域くらいはしっかりと守り抜きたい。